本の紹介”人を動かす -D・カーネギー”
ダール・カーネギーの「人を動かす」は、
人間関係の自己啓発本の源流とも言える本です。
「人を動かす」は人間関係を良くする原則が詰め込まれています。
その原則の中の1つに、
”人間にとって、自分の名前が最も甘美かつ大切な音であることを、覚えておく。”
という文章が出てきます。
人の名前を覚えることは大切なことである。
しかし、人の名前を覚えるのが得意な人と名前をすぐに覚えられないという人に分かれると思います。
話は変わりますが、学生時代、尊敬する学年主任の先生がいました。
その先生は就任して1日目、なんと私たち学年100人近くの顔と名前を覚えた状態で
授業を始めました。
生徒を指名するときは座席表を見ずに顔を見て名前を呼んで指名するのです。
その先生は名前の重要性を知り、おそらくかなりの努力をして100人の名前を覚えたと考えられます。
そこには記憶力の良さとか人の好き嫌いの問題ではなく、名前を覚えるコストをためらわず払ったということが重要でだったと思います。
現在大人になって「人を動かす」を読むと名前は重要だとか相手に興味を持つとかそういう知識よりも、そのための努力・コストをためらわず払うことができるかが最重要であると思いました。
学年主任の先生は見事にそのことを体現してくれていたように思います。
私はまだその領域には至っていません。
他人は私をどう評価するであろうかということが頭のどこかに常にある状態です。
自分を大切にすることは正しいことです。
一方で、同時に相手も大切にしそのコストをちゃんと払うことは、さらに難しいことです。
自分も相手も大切にすることで新たな段階に行けると思います。
「人を動かす」を人を操るテクニック集としてではなく、相手を大切にするという心的態度をどう表現するかという視点で読むと得るものが大きいと思いますので、お勧め致します。