本の紹介”人工知能はどのようにして「名人」をこえたのか?”
「電王戦」というプロ棋士と将棋AIがぶつかる舞台で、プロ棋士に5戦全勝した将棋AI、ポナンザ。
そのポナンザの開発者がどのようにして将棋AIを強くしていったか、本書で詳しく描かれています。
ちなみに開発初期のポナンザは8枚落ちのハンデをもらっても人相手に負けてしまうくらい弱かったのこと。そのポナンザが改良を重ねてプロ棋士に勝利してしまうのですから、飛躍が凄いです。
本書が、他の人工知能関連の本と違うのは、将棋AI開発者の手で感じた感覚が書かれている点です。
・教師例不足を解消する「カサ増し」テクニックがあること
・改良する際にはなぜそれが上手くいったか分からない「黒魔術」化している部分があること
・人工知能開発には大量のデータが必要となり、初めは「教師あり学習」で強くし、それから後は「強化学習」で強くする流れがあること
・ポナンザの学習に必要な膨大なコンピュータリソース。大量の学習でわずかな進歩があることから「雑巾絞り」と呼ばれることも
上記の肌感覚は、AI開発者だけが感じるものでしょう。
本書を読むことでAI開発の要所や勘所の一端が見えてくるのではないでしょうか。
本の紹介”完全独習 ベイズ統計学入門” ”身につくベイズ統計学”
その名の通り、ベイズ統計について何も知らない状態からでも基礎が分かる仕様になっています。章末問題を実際に手を動かして回答することで理解度も深めることができます。
途中にのっているベイズの歴史にまつわるコラムも面白いです。
ベイズ統計について1冊目の入門書として適していると思いますので、
おすすめいたします。
そして上記の”完全独習 ベイズ統計学入門”が終わったら次のステップとしてお勧めしたい本は”身につくベイズ統計学”です。
こちらは”完全独習 ベイズ統計学入門”でできなかった自然な共役事前分布について突っ込んだ解説がされています。
2冊目として最適な”身につくベイズ統計学”をおすすめいたします。
本の紹介”雄弁術―堂々と説得しながら相手に心服される話し方”
人の話を聞くこと・理解することはとても大切です。
そして、聞くことと同様に自分のことをプレゼン・主張することも大切です。
今回紹介する本”雄弁術”には、どのようにしたら人々の心が動かされるような話し方ができるかが書かれています。
私は雄弁家ではなく口下手な方ですが、この本ではある場面においては誰しもが雄弁家になると言っています。
”喫茶店で友人と話す時”、身振り手振りをつかい堂々としていて聞いていて面白い。
この”喫茶店で友人と話す時”のスタイいるこそが雄弁になるのに直結すると言っています。
本書はこの”喫茶店式雄弁術”を軸にどのようなことに気をつければいいか具体的に描かれていますので、会社などで雄弁が必要になる方には必読の本だと思います。
沈黙は金とも言われますが、しかし、黙っているだけではいけない時もあります。
相手の話を聞き、なおかつ、雄弁に語れるそんなバランスの取れた姿勢がベストだと思います。
本の紹介”話す技術 聞く技術”
本書はコミュニケーションについての本です。
コミュニケーションはただのメッセージのやり取りではないことを私たちは知っています。生身の人間ですので感情を伴う難しいやり取りになることが多々あります。
だからといって、難しいコミュニケーションを避けていくことは、困難な状況に対して消極的な態度となり、それ以上の進展も望めません。
困難なコミュニケーションこそ、関係をさらに深化させるのに必要となります。
感情を伴う困難なコミュニケーションをどう対応すればいいでしょうか。
本書では、陥りやすい典型的な3つの点について焦点を合わせてタフなコミュニケーションを解説していきます。
アサーションの本を読んで、自他を大切にするコミュニケーションが大切なことは知っています。
この本では現実問題として、どのような点に気をつけてコミュニケーションをすればいいか事例を多く取り上げて説明しています。
他人と困難なコミュニケーションを取らないといけない人必見の本だと思います。
本の紹介”情報と秩序 -セザー・ヒダルゴ”
今回紹介するのは、「情報と秩序」。
物質の秩序・物質の配列を「情報」と定義し、どのように「情報」が具現化されるかということを原子レベルのミクロの視点から経済レベルのマクロの視点まで論じています。
本書で、製品のことを「想像の結晶」と言っています。
私たちはその「想像の結晶」である車やスマートフォンなどを使って生活しています。
日本には資源が少なく、資源を輸出して生計を立てることはできません。
そのため資源を他の国から輸入し、日本は「想像の結晶」である製品を生み出し海外に輸出する必要があります。
本書を読んで、日本は「想像力」が生命線であると感じました。
想像力を養うための教育を今一度考え直す必要がありそうです。
本の紹介”人工知能の哲学 -松田雄馬”
人工知能の「知能」とはそもそも何か。
本書は、それを探るため人工知能の歴史とその周辺分野について記述された本です。
人工知能は、学際的な分野です。
機械学習の分野はもちろんのこと、認知科学、脳科学などからのアプローチもあります。
本書では、それぞれの視点から「知能」を論じていますので、
人工知能とその周辺分野を概観するための良い入門書になると思います。
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現在はディープラーニングに代表されるようにニューラルネットワークに注目が集まっています。
ディープラーニングの研究をこのまま推し進めていけば人工「知能」が達成されるのでしょうか。
たしかに「知能」のような動作をするものは作れるかもしれませんが、そもそも「知能」とは何かよく分かっていないので、どこかで壁にぶつかると私は思っています。
その壁を飛び越すためには、脳科学や認知科学、複雑系などのさらなる知見が必要になってくると思いました。
本の紹介”現れる存在 -脳と体と世界の再統合”
”現れる存在 -脳と体と世界の再統合”アンディ・クラーク
・脳と身体と環境の相互のやり取りの中で認知が創発される。
・脳は認知負荷を下げるべく、外部の資源を積極的に使う。
・そもそも生き物は身体自体に工夫がされており、抽象的な思考がなくとも現実の環境に柔軟に対応できるようになっている。
人間の認知能力は脳にあると思っていたがどうやら、本書を読んでそうじゃないことが分かった。
脳や身体、環境との相互作用の中で生まれるらしい。
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本の趣旨と大きくずれるが、
今まで私の生活を振り返ってみると、脳での処理に依存しすぎていたような気がする。 脳は一番エネルギーを消費する器官であると聞いたことがある。
脳への過度の依存はおそらく良くないのだ。
ではどうするのか。思いつきであるが、認知不可を身体や身の回りの環境に肩代わりさせれば、脳の認知負荷は軽くなっていい感じになるのではないか。
・記憶しなければならないことはメモする(外部記憶を活用する)
・身だしなみを綺麗にして、相手に与える印象を良くすることで、コミュニケーション負荷を下げる(服装という身の回りの環境を改善する)
・顔を笑顔に保つことでコミュニケーション負荷を下げる(身体を使ったコミュニケーションを行い脳の負荷を下げる)
・頭でシミュレーションするのをやめて、体を動かし実際どうなるか現実世界で確かめる。(頭でのシミュレーション不可が減る)
・プログラムの本を読むのをやめて、実際に手を動かしてコードを書いて学ぶ(体で学ぶ)
脳に掛かる負担を身体や環境に分散させることで快適な生活が送れれば良いと思う。